自転車で徳島〜室戸岬
往復旅日記 
1. スタート
2. 2日目
3. 3日目

自転車で徳島〜室戸岬往復旅日記 
                              2006年8月24日〜26日
【所持品および装備】26インチシティサイクル、寝袋、懐中電灯、デジカメ、携帯
          着替え(二日分)、海パン、財布、サンダル、サッカーボール、
ハンドル固定式ライト、サドル固定式テールライト、携帯蚊取り線香 etc
1、スタート
 24日夜9時頃に友人Tが俺の家に到着し、いざ出発と思ったが二人の自転車のタイヤの空気が、やや頼りない。俺の家で空気入れを探すも見つからず、仕方なく近くの警察署で空気入れを借りることに・・・俺の後輪のタイヤの空気止めのゴムが無いことに気づくと、友人Tが近くにあった自転車からゴムを拝借している・・・っておいっ!警察署のまん前でよくもまあ堂々と(^_^;)ともかくこれでようやく出発を開始する。
 本日の予定では、街灯の淋しい所を深夜に走るのは危険と判断したので、スタート地点から三十キロ弱の北の脇海水浴場付近の中林キャンプ場というところを寝床に決めている。55号線をひたすら南下して小松島市、阿南市と走り途中で道の駅那賀川にて休憩をとる。



休憩を終え再び走り出す。55号線にあった北の脇海水浴場と記した標識通りに道を曲がり進んだが、やって来たのは船が泊めてある漁港であった。「あれ?おかしい。」辺りが暗いせいか、道を間違えた様だ。近くにいた夜釣りをしていたおじちゃんに「この辺にキャンプ場無い?」と聞いてみると、「キャンプ場なんて無いわ。」やら「あの場所の事と違うか?」という曖昧な返事が返ってくる。取り敢えず、それっぽい場所を教えてくれたので、行ってみることに。そこは自転車専用の狭いサイクリングロードを通りたどり着く場所であるらしい。街頭もない真っ暗なサイクリングロードをおもむろに自転車を飛ばして行くと、何やら気味の悪いモノが顔や足に絡まってくる・・・「ヴェーーー!」この気味の悪いモノの正体は無数の蜘蛛の巣であり、思わず二人とも絶叫(><)とんでもない道に入ってしまったと後悔する。しかも途中の道が重機で塞がれていて、何とか重機を避けるようにして道を進んでみると一軒のペンションみたいなのが建っていただけであった。ウロウロしていると原チャリに乗った警官に職質された。「君らは何しょん?この辺で40位のおっちゃんが行方不明になってな君ら見んかったか?」などいわれ、「旅してます。見なかったです。」と答え、「そうか、気を付けろよ、発見したら署に連絡してくれ。」と言われ、その場を立ち去った。その後何処を走ってもキャンプ場らしき場所は無かったので、55号に引き返すことにしたが道が分からなかったので、近くの製紙工場の入り口にいた守衛の人に教えてもらう。いい人でかなり丁寧に教えてくれたが、えらく遠回りな道だったと後で気づく。深夜1時半頃、三キロ程引き戻ってしまった55号に出たところで、予定を変更し「今日はいけるトコまで行ってしまおう」のTの一言で先に進むことにした。夜中であったので暑さは厳しくは無く快調に進む。車はほとんど走っていないので車道を走っていると百円ショップで購入した固定用テールライトが落ち早くも故障するアクシデント。小腹がすいたのでローソンで一休み。

お腹を満たし充電し、さらに先に進む。どんどん街灯の数が減っていき辺りが暗くなっていく。辺りに何も無く霧も出てきて奇妙なトコだなと、二人で談笑しながらペダルをこいでいく。この辺りで室戸まであと百キロを切り残りが二桁になったことで盛り上がる。深夜3時ごろ無人駅の阿波福井駅で小休止。



ここの駅表を見て日和佐まであと三駅。
日和佐には道の駅があると書いてあったので今日の寝床にしようと考え目的地に決定する。ここまではなだらかな道だったので容易に行けると思っていたが、実際はそうではなかった。

とんでもない峠が待っていた。登り道は立ちこぎで進むが足がピクついている、さらにあたりは街灯も無く明かりとなるのは車のヘッドライトくらい、歩道も無くあわてて懐中電灯を取り出し後ろから猛スピードでやって来る車に気付いてもらうように、後方を照らしながら走る。下りはペダルを漕ぐ必要なく時速30〜40キロで一気に下っていく。きつい登りを終えたときの至福の瞬間であった。一時間半ほどで峠を越し、なんとか道の駅に着く。



 ついたのは朝の五時前で当然店などは閉まっていて足の湯も入ることはできなかった。
ここにいたおっちゃんが「峠を越えてきたんか?まだ先にこれよりも長い峠があるぞ。」
と言う。俺はその一言でここを寝床に決定としたかったが、Tの「よし!もうチョイ先に進んどくか?」の一言で渋々先に進むことに決定させられる。(俺は拒否権行使出来ず・・・)
峠に入る直前に日が出てきたため、辺りが明るくなり前輪の電灯をオフにすることができ、少し足への負担が和らいだ。峠はおっちゃんが言っていた通り、かなり長くここまでの疲労から、かなりきつかったが二人とも(少なくとも俺は)お互いを意識してか、先にギブアップし止まるのが嫌なのか、変なプライドにかき立てられ立ちこぎを止める事無く一気に登りきる。そして長い登りの後には長い下りがやって来て、自然のおいしい空気と綺麗な景色を感じながら気持ちよく下っていく。とにかく自然が綺麗で特に渓流の水は一点の澱みも無く澄んでいる。途中にあった牟岐川ではなぜか錦鯉がいたので驚いた。



そんな綺麗な景色に癒されながら、疲れを感じる事無く峠を乗り切り朝の7時頃牟岐町にあるサーフィンで有名な内妻海岸に着く。しかしサーファーは一人も居なかった。
そこから三キロほど進んだ大砂海水浴場に到着し二人ともおもむろに持ってきた海パンに着替え泳ぎだす(二人とも人目も気にせずに隠す事無く堂々と着替える)。しかし三十分も泳ぐ事無く猛烈な睡魔と疲労に襲われここを寝床と決め寝ることにする。
(徳島から出発して80キロ程の地点)



寝る前に海水を洗い流そうとシャワーを浴びにいくも使用できず、しかたなくトイレの水道水と置いてあった石鹸で体を洗う。体を洗った後、午前8時半に屋根付のベンチで横になるが、そのベンチが鉄格子のように等間隔に板を張り合わせたベンチであったので隙間があり寝心地は最悪で何度も、寝心地のいい寝方を試しているうちに時間が過ぎ、またセミや雀蜂がやってくるが追い払う体力もなく、やかましさと危険を感じながら寝た。(寝袋があったので使えば良かったが準備する体力も惜しかったので使わなかった)正味2時間くらいだろうか寝たところで今度はアリの大群が体を噛んで目が覚める。程よくしてTも目覚め二人とも披露が取りきれていないのか、会話もなくゆっくりと出発の準備をする。
とにもかくにも午前12時出発する。